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2004/11/11

恐怖の病院体験

いやー、すっかり運動不足でどうにもこうにも体がたるんで仕方ない今日この頃です。健全な体について語る資格はどう考えてもないような気がするのですが、体も心も、いつまでも健全な状態でいたいものです。

昔、友達にバイトに誘われて、そいつの友達のお父さんが専務を務める会社でしばらく一緒に働いていたのですが、その会社は消防設備を販売・施工しており、いえ、消火器を売りつけたりするのではないでですよ、故障なんかがあると修理に行くわけです。
ある時、社員の上司に言われて友達と2人で「○○病院」に行くように言われ、地図と修理の内容が書かれたコピーを受け取りました。その日はそこ1件だけでいい、と言われていましたので「ラッキー♪」とばかりに余裕をぶっかましてドライブ気分で向かいました。そうしましたら、地図にしたがって進むにつれどんどん山のほうに入って行くではないですか。
「なーんか、あやしくね?」と話しをしながらついに森を抜けますと、まぁ、廃墟の一歩手前というような建物が現れました。「これ、病院って書いてあるけどほんとかよ?」と言いつつ、玄関を探しましたが、玄関らしきところがありません。が、病棟の真ん中に小さな鉄のドアがあり、インターフォンがついていました。
「ピンポーン・・・はい、どちら様ですか?」
「こんにちは、○○の○○と申します。」
と言いましたら、「ちょっと待っててね」と声がして、インターフォンが切れました。待っても出てこないので周囲を見渡してみますと、どう見ても病院に見えないし、だいいち建物にも病院と書いてないんです。なんだこりゃ?

しばらくすると、鍵が開いて鉄の扉から白衣の太ったおばさんが出てきました。そのおば・・・いや、医者らしき人は、真っ赤な縁のめがねをかけていて、前髪をまっすぐに切りそろえためちゃくちゃ変な人でした。「はい、どうぞ。」と、通されて中に入ろうとすると、「玄関で靴を脱いでください。」と言われましたので、スリッパに履き替えて中に入ろうとして・・・そこで見たものは・・・なんと、入るまで知らなかったのですが、正真正銘の精神病院でした。精神科じゃないですよ、精神病院です。そして中には、抜け殻のようになったたくさんの患者達が、座ったり歩いたりして虚ろな目でこちらを見ています。

「あの・・・故障したのはどこですか?」と聞きましたら、さらに奥に通されまして、そこには厚さ10センチはあろうかというような巨大な鉄の扉で仕切られた個室(というより独房)がありました。その内部の様子は今でも鮮明に覚えているのですが、中にはトイレしかなく、窓は頭の高さに一つだけついています。そして・・・壁も天井も、そして床も、白い下地が見えなくなるほどの落書きで埋め尽くされていました。女性器や男性器などの定番落書きではなく、おそらく詩のような、きちんとした字の文章が大半なので、よけい恐怖を煽るんですよ。ものすごく怖かったのですが、脚立を持ってきて窓に上がり、2人で窓を調べますと、ものすごい力でねじ曲げられたと思われる鉄格子の手前で、アルミの防火ダンパーが見事にちぎれていました。凍り付いた顔のまま、焦る気持ちでえっちらおっちら直しまして、いざ降りようとすると、今度は夢遊病のような患者がよだれを垂らしながらわたしたちのスリッパを履いて向こうに行くではないですか。その瞬間「オーマイガー!」本当に絶叫しそうになりました。結局、あまりにも恐ろしく変形していたため、修理はできず、その窓は封鎖するということで話はまとまり、わたしたちはその病院を後にしたのです。
あの鉄の扉・・・あのゆがんだ鉄格子・・・まるで映画を見るような貴重なシーンでした。

なんか話しが飛躍してしまいましたが、自分がかろうじて生きていて、健全な心を持っていることには本当に常々感謝しています。病気にならなきゃわからない、なんていうことがありますが、わたしは毎朝起きたとき「あー、今日も気持ちのいい朝だ。1日がんばるぞ!」なんて言いながら感謝しています。最近はムカつくことも多いので、疲れちゃったりもしますけどね。

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