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2005/07/15

ケチだから金持ちなのだ

最近、いきつけの蕎麦屋で社長と日本酒を飲んでおりましたら、隣に6人の客が来て飲み始めました。1人は40~50代で最近ではめずらしいというかちとへんに思える水色のスーツを着ておりまして、こぎれいな身なり、ほかの5人は20代~40代のあきらかにサラリーマン風の人たちです。
座った位置が真正面だったのと、水色スーツが目立ったもので興味津々丸で見ていますと、水色は「オレがさぁ、香港で食べたものはどうのこうの」とか、「フランスっていったらやっぱりどうだのこうだの」と言って自慢ばかりしているのです。どうやら水色が社長でほかの5人は社員なのですね。2時間ほど一人でべらべらしゃべって社員に「おまえもなぁ、出世したかったら旨いもん食えよ!」などと講釈をたれ、食べ物も飲み物も自分で注文しておきながら・・・なんと会計は割り勘なのです!

んなあほな!

聞けば、宝石店の社長でしこたま金を持っているそうじゃありませんか。持っているなら社員にはおごってやれよ、割り勘にするならみんなに好きなものを注文させろよ、そして偉そうに講釈たれるのやめろよなぁ、みんな退屈そうに小さくなってメシ食ってるの、わかんないのかよ~;まぁ、こんなどケチだから金も貯まって一人いい思いをするのでしょうが、これはケチな金持ちの最悪の例です。

最近ものすごく腹の立ったことがありまして、私の友人には億万長者が何人もおります(キッパリ)。そういう人種とのつきあいは他人に言わせれば「ドラマの世界みたいなことってあるんだねぇ」ということになるのですが、現実には・・・んー華やかですかねぇ。「ヒルズ族」なんていう言葉がありますが、そんな感じでしょうか。金持ちが集まって高級ワインやシャンパンを飲み、女性をはべらすのはうらやましく見えるかもしれませんね。ただ、華やかには見えてもそれが幸せだという感覚も、特別だという気持ちもないですね。結局は当たり前になってしまいますよね。意外と、しょぼくれた居酒屋で枝豆食べながら「ん~しあわせだねぇ」とビールを飲んで語り合っているほうが良かったりして。

で、何に腹を立てたかと言いますと、知り合いが仕事の話をしていて、うまくいけばコイツらに乗っかって金を引っ張れないかなぁとずっとたくらんでいた様子でした。というか、金持ち集団と一緒になるとみんな目にドルマークが書いてあるのがわかります。で、「あいつには気をつけた方がいいよ」と忠告していたのですが、いろいろ話をしているうちに「金持ちなんだから、ケチケチすんじゃねーよ」みたいなことを言ったのです。

でも、考えてみましょうよ、金持ちには当然知り合いが多いです。儲けている分、人との関わりが濃くなって、たくさんの人に金のかかる義理を返さなければなりません。億万の金を持っているから数十万、数百万なんて屁みたいなもんじゃないか、と思っても、数十万や数百万を数十人に世話していたらそれだけで数百万、数千万になってしまうわけです。つまり、金持ちはやっぱりケチで、使うところには使うが使わないところには1円でもいやだということを認識してあげないとかわいそうですね。そして、本人たちも大変でしょうが、一緒にいるわたしたちもそういうところをみていて心配になりますし、楽しくつきあうことが難しくなります。それから、そいつが稼いだ金というのはそいつの人生そのものですから、金を持っているから金を回せというような与太話は、たかられる方の金持ちにとっては人生を妨害されるようなものでたいがい迷惑なものです。

金持ちなのにケチ、なのではなく、ケチだから金持ちなのだ。

よく言われますが、「金持ちは孤独だ」という言葉は本当に真実だと思います。上に書いたとおり度を過ぎた金持ちと一緒だと周りにいる人間が本当にみんな人格が変わってしまって金の話しかしなくなるんですよね。悲しいなぁ。ただ、唯一の救いがあるとすれば家族だと思いますね。家族が好きな金持ちは奥さんや子供たちがやすらぎになっているようです。みなさん、ぜひ億万の金をつかむチャンスがあったら、家族だけは大切にしましょう。最後に守ってくれるものは家族しかいないんですからねぇ。

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