|

2005/06/05

趣味で始めるFX投資

以前書いたのですが、最近周囲でも為替取引(以下、ForeX)を趣味で始めたという人が多くいまして、今年だけでも「株と為替どっちが儲かるの?」という質問を数十回は受けました。で、趣味で始めた人間のおそらく90パーセントは元本を減らすばかりで全く儲かっていません。残りの5パーセントはやや儲かり、5パーセントはまぁまぁ儲かっている人たちだと思います。わたしの個人的な意見を言わせてもらうと、理屈の上ではForeXよりも株式投資のほうが儲かる(というより儲けられる)確率がはるかに高いと思います。

それぞれに長所と短所があり、たとえばForeXの場合ですとよほどのことがなければ通貨が破綻することはない、24時間取引ができるので、サラリーマンなど日中の仕事がある人でも夜間トレードでき、いつでも売り買いできるなどの長所がある一方、東京市場はめっきりボラティリティが減ってしまい、世界中をみても値動きが株式に比べて少ない、通貨ペアは多くて10種類ぐらいなのに全通貨で変動幅が少ない(1日30銭程度の幅で上下なんて・・・回転効かせても儲けるのは至難の業)ことも多く選択肢が非常に限られている、金利負担が大きいのでマイナス金利が大きい通貨ペアは売りポジションを持ち続けるのがつらい、などの短所があります。株式の方は、長所としてはForeXと逆で値幅が大きく(実態として)長期投資の効率が高い、銘柄数が多く選択肢が多様である、基本的には会社の業績がイコール株価ということで、ForeXより市場を動かす材料がシンプルで相対的に読みやすい、しかし民間企業であるから突然の大波乱があり得る(経営破綻、刑事事件、事故、業績下方修正など)、マーケットが日中だけなので一般論として仕事を持っている人にはなかなか取り組みにくい、ということがいえると思います。結果、総合的には株式投資のほうが回転売買で儲けるには適しているということでしょう。

さて、わたしの場合株式は去年建設1銘柄、信託銀行1銘柄を長期ホールドして利益を出したぐらいで、あとは為替が主な投資になります。自慢ではないのですが今年の成績として現時点では元本から約25パーセント程度のプラスで、利益は結構な額になっています。急激なドル買いによって予想外の損が出ましたが、それがなければ恐ろしいぐらいのリターンがありました。まぁ、そんなことも含めてこんなものなんだと思います。もちろん、年間のリターンが50パーセントを超えるようなスーパートレーダーもたくさんいらしゃるわけで、比較すれば微々たるものでしょうが確実にいえるのは「儲かっている」ということです。(なぜ株式投資ではなくForeXを選んでいるかといいますと、株をやり出すと日中気になってしかたがないので仕事にならないからです。ネット証券は便利な売買ツールがありますけども、それでも夜か朝に戦略を立ててあとはほったらかしにしておくなど性格的に無理です。)

そこで、上に書いた「趣味で始めた為替取引」をやっている友人・知人に言っているのは「損をするならやめたほうがよい、なぜならあなたにはセンスがないから」ということです。儲からないのは理由が明白で、テクニカル分析が厳密でないかほとんどしていない、「ここで上がりそう、下がりそう」というカン、いや目をつぶって矢を放つような適当な売買をする、マーケットが反対に行くとすぐにあわてて損切りという名のパニック売買をするからですね。まあ趣味と言うからには好きでやっているわけで、それをあえてやめろというのは失礼なのでしょうけど、いろいろ話を聞いていると「買ったと思ったら下がり、売ったと思ったら上がる、上がったから買ったら今度は下がった」という理想的な往復ビンタをくらって大変な様子。精神的にも財政的にもつらいから趣味にするのは良くないよというのですが・・・。

投資投資と夢を見るのも良いですが、儲かっておらず、儲かる根拠がみえないまま続けるのは「投資」ではなくて「浪費」です。うまく投資すれば必ず儲かりますから、ぜひ儲けたい分きちんと勉強して、儲けて、投資家を名乗ってほしいものです。最近「楽に儲かる為替取引」みたいな本が結構出版されていますが、株にしても為替にしても「楽に儲かるなら誰でもやってるっちゅーに」というのが真実です。くれぐれも楽にできると思わないようにしてください。

→Homeへ戻る