|

2005/07/11

FXで儲けられない理由

ボーナスシーズンだけあって、わたしの周りでもちょっとした小遣い稼ぎに株か為替にでも手を出してみるか、という友人がおりまして、相変わらず「株か為替やろうと思うんだけど、儲かるかな?」という超単純な質問を浴びせられてうんざりの毎日です。

以前、儲けるなら「為替より株」と書いたとおり、どちらかを選ぶとしたら間違いなく株をおすすめします。ネット証券会社もよりどりみどり、効果的な分析ツールやチャートもじゅうぶんに提供されています。また、たくさんの株式取引指南書も売られていて、勉強するには事欠きません。一方、為替の方はタイトルにもありますように、しっかり儲けることは相当難しいです。特に回転を効かせたデイトレなら超人的な技術と膨大な時間がかかることでしょう。

これには実は単純な理由がありまして、たとえばわたしが以前利用していた外為どっとコムなどは、ドル円ならスプレッドは4銭、1万単位で手数料に片道1,000円かかります。ところが、これが大きな落とし穴でして、スプレッドが4銭に往復2,000円(日をまたぐ場合)ということは、ロングポジションの場合買った値段から実質24銭上がらないと儲けになりません。当然ショートになりますと、翌日以降はマイナス利息がつきますので1日1日と利益が減っていきます。つまり、予想どおりの方向へマーケットが向かう確率が5割なら、トントンではなく手数料分損する(=はじめから予想の方向へ向けたハンディキャップがある)と思って良いでしょう。しかし、今のマーケットでは激しい上下動はだんだん少なくなるばかり。これほどボラティリティが低いと、方向性をズバリ当ててもスプレッド分さえカバーするのも初心者には難しいはずです。そんなわけで、多少の上下で回転売買をするよりは、中長期トレンドを重視して細かい上下は無視し、数日~10日間からそれ以上のスパンで為替差益を狙うやり方のほうがはるかに利益を生むと思います。←現実問題としてどうか、という話なのでデイトレで稼げるプロフェッショナルの話や、理想的にやれば「できるはずだ!」というような想像上の話ではありませんので念のため。そりゃぁ、頭に描いた理想通り売り買いすれば誰だって儲かりますが、実戦でそうはいかないのが現実社会ですから。

それから、この手数料地獄を回避するためには、やはり手数料の安い会社を選ぶことが基本中の基本でしょう。今ならたとえば期間限定で某証券会社がやっている片道250円(1万通貨)キャンペーンなどに乗っかるほうが賢明です。本来、感覚的にはドル円1万単位なら300円~500円が妥当な金額だと思いますがねぇ。ちなみに、外為どっとコムさんのIPからわたしのBlogをよく見に来られているようでして、検索ワードはだいたいが「ベンツ Sクラス 新型」。こりゃかなり儲かってるな。。。

元に戻りますが、手数料の安さがガツンと効果をもたらすのは損切りの場面です。なぜなら、上に書いたようにスプレッド+手数料分までマーケットが動くときは手数料が10倍であろうが同じです(つまりプラスマイナス0円)。しかし、反対に動いた場合には手数料がもろに損失に乗っかってくるわけで、手数料が安ければ損切りの踏ん切りがつきやすくなって収益のバランスが良くなるはずです。

かなりがんばっても儲かりにくい最大の原因は手数料だ!

※しかし、今や東京市場のボラティリティを見るとほとんど屍状態です。ドル円が前場でたった15銭ほどしか動かないことも珍しくない状態では元本1,000万突っ込んでもデイトレで儲けを出すのは奇跡ですよ。15銭。。。100万円分レバレッジ10倍でポジションつくり、奇跡的に一番下で買って、一番上まで待っても前場の儲けはたったの1,000円(手数料分10銭、スプレッド分4銭で14銭、差し引き1銭の儲け)。同じ法則で1千万投資して東京市場の前場で1万円しか儲からないということです。株式投資でこれはありえないですよ。そう思うと、「株では儲からないから為替をはじめよう」という人は、おそらく為替をはじめても90パーセント損をするでしょうね。いや、99パーセント損するといっても過言ではないと思います。

→Homeへ戻る