泥棒に入られる・・・ピンチ!(前編)
泥棒と言えば、皆さんは泥棒を捕まえたことはありますか?え?ある?・・・わけないですよね、ふつう。
わたし、中学生の時に泥棒を捕まえかけたことがあります。父親の転勤で舞鶴に住んでいたことがあったのですが、中学1年の時に引っ越し先から親友の家に遊びにいくため舞鶴に行きました。当時は舞鶴も今よりはるかにド田舎で、のどかな住宅街の一角に友達の家がありました。
友達の家は、お父さんが設計事務所を経営する裕福な家で、近所でも名士の家庭として知られていたのですが、最近変なことがよく起こる、というのです。その変なこととは、たとえば玄関に置いてあるスノーボードがなくなったとか、灯油の缶を新しく買ったはずなのにいつのまにか減っているようだとか、お父さんのカッターシャツを干しておいたら盗られてしまったとかいう話、それから、怪しい男が玄関の前をうろうろしていた、などというご近所のおばさんの目撃談などでした。友達は「裏のアパートのおじさんが絶対、絶対に怪しい!」と言い張るので、なんでそう思うのかを聞いてみると「だって怪しい人だから」という程度 だったのですが、「オレがいる間に泥棒を捕まえようよ!」と家族の団結を誓ったのでした(これ、今考えるとひじょーに危険なことをやろうとしていたって気がします)。
次の日、突然動きがありました。近所の親しかった家族に招かれて夜食事に行った帰り、歩いて家のほうに近づきますと、隣の家のおばさんがあわてて飛び出してきて「
○○さん、また変な男の人がいたのよ、酔っぱらってフラフラした人が玄関の前にいると思ったら、中に入っていったわよ!」と言います。友達のお母さんは 「えぇ、怖いわね~、どうしましょ」と驚き、わたしたちは「やっほ~ぃ、泥棒登場か???」と大はしゃぎでした。しばらくして通報を受けた警察がパトカーでやってきて、数日間は家の周りを重点的に巡回すると約束してくれましたので、ひとまず安心。けどわたしたちは「いや、巡回するっていったってとなりのおじさんだっつーの、意味ないから」と言ってちょっとバカにしていたりしました。ただ、警察はその後もちゃんと約束を守ってパトカーの回転灯をつけてしょっちゅう近所を回ってくれましたけどね。
数日たったある日、あやしいおっさんのアパート前にある広大な空き地で、中学生のくせに生意気にも友達とゴルフの練習をしていましたら、友達が飽きてきた様子で「ねぇ、○○くん、あのアパートの玄関を覗く方法ないかな?」と聞きますので、「紙飛行機を作って、あのアパートの2階からとばすフリをしながら、 廊下から玄関の窓を覗こうよ」とアイデアを出し、さっそく家に帰って紙飛行機を作りました。そんな無謀な二人を見て、お母さんが「危険なことはやめなさいよ、飛ばすなら○○くんにさせないで、あなたが自分で飛ばしなさい」と優しいのかなんなのかわからないアドバイスをしたせいで、本当にアパート前に向かうことになりました。
今でもその時の様子は目に焼き付いて離れないのですが、子供ながらによくこんな冒険心と行動力があったものだと思います。友達は、お母さんの言いつけをすっかり無視してわたしを呼び、古いアパートの二階に上がって二人で紙飛行機をビュンビュン飛ばしました。そしていよいよ・・・ドキドキする心臓の鼓動を感じながら玄関へ・・・あれ?なんだこりゃ~!○△■、+*!なんと、玄関のガラス越しに見ると中の荷物が異様に多くてほとんど見えないのです。今思うと、あの時その家のおっちゃんがいたとしたら、外でごそごそしていたわたしたちにすぐに気づいたことでしょう。もし気づかれて外に出てきたとしたら・・・そうして、犯人候補の家の捜索はあえなく断念しました。
次の事件は、それからすぐに起こりました。続く・・・
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