バーテンダーに学ぶ
いつもよくいく行きつけのバーの店長は27才です。バーテンダーでなにが一番腹が立つって、自分のことばかり話したがるやつでしょう。普通は、バーテンダーは客の話を一生懸命聞いてくれます。あれってきっと大変なことだと思うんですよね。わたしが行く店の店長、彼もとにかく熱心に耳を傾け、それはそれはうまいこと話を合わせてくれます。そしてなんでもよく知っている。たまに雑学王と呼ばれる人がいますが、彼の場合は職業として立派に役立っており、雑学王なんて安っぽっちい名前を付けては失礼でしょう。休みの日や店を閉めたあとに飲みに行くこともあるんですが、そのときにはさすがによくしゃべります。日頃よっぽどしゃべらないことのストレスがたまってるんじゃないですかね。客が飲んだくれて同じことを何度も話したり、オンナをつれていいかっこして、バーテンダーに偉そうにしても彼はいつも淡々と対応して、それはそれはよくやっています。だから、店を出ると逆に一人でしゃべってテンションが高い高い!たまに彼と話すといつも思うんです。人の話をよく聞く人にならなきゃ、と。
以前、うちの会社から詐欺まがいに商品をだまし取ったおっさんがおりまして、こいつがもう、たまらなく不快なカスみたいなやつです。年は60才も半ばぐらいですかね(なんだってこの年代のおっさんどもはややこしいやつが多いんだ?)。最初家に取り立てに行って、らちがあかないからポストに張り紙をしたり内容証明をうったり、電話を何百回とかけたり、初期の段階でできることはさんざんしたんですがつかまらず、次の手を考えていました。そんなある日、いつものバーを訪ねましたら、なんとカウンターの横の席にそいつがいるじゃないですか!しかも、金がないとのたまったくせして、中途半端な美人ロシア人の「ナターシャ」(源氏名だと思うけどよくわからない)と一緒にいて、のうのうと飲んでいるんです。トイレに行った時を見計らって外に出て、大げんかしました。最後は飲み屋のど真ん中で「殺すぞ」と言われ、周りからは「・・・あそこまで言ってるんやし、やったったら?」と煽られたのですが、結局何事もなかったように二人とも店に戻り、そしてやつは中途半端なロシア人のナターシャと消えていきました・・・。それからそいつは1度ぐらいしか店に来ていないようですが、そのときも店長が飛び出してきて「あの客が来てるから、ちょっと外で時間つぶしたら?」と言われてニアミスを回避。事なきを得ました。
またまた話がそれたのですが、こんなトラブルの顛末まで、店長はみんな知っています。僕の私生活のことまで、たいがい一番よく知っています。いつもカウンターの中でニコニコしています。もちろん今日もです。
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