あんたら、口だけかい!
先日、とある渋いバーで、同僚と飲んでおりました。そのバーは洋酒を売りにしている割と古いタイプのショットバーで、飲み屋が多いことから水商売の女の子を連れたおっさんたちがよく来る店です。
その日も、50代と思われる傲慢そうな2人のおっさんが、女の子を2人連れてやってきました。まずは、みんなで一杯ずつウィスキーを飲んでいたみたいで、「へぇ~こんなんみたことない」などと言いながらわいわいはしゃいでいました。一人のおっさんが「スコッチはねぇ、これだよこれ。ほれ、見てみ。おまえも飲むか?」なんてうんちくを語り出し、女の子はすぐに飽きてしまった様子でした。そのうち、おっさん2人は店に出してもらった葉巻を吸いだし、いっそう機嫌良く飲んでいたのですが、バーテンダーに「ワインいいのある?」と聞いてイタリアワインを出してもらっていました。そのワインをどうするか、わたしたちは2人とも興味津々で眺めていたのですが、おっさん、「これ、値段いくら?」と聞きます。女の子「へぇ~これ飲みたいな~めずらしいし~」。バーテンダー「これはですね~、うちでは1万2000円ですね」。さんざんうんちくを語ったのだから、飲みたいと言っているワインぐらい飲ませてやれよと思いきや、おっさん「・・・また今度飲むわ、はい」と言って、そのワインを隣のおっさんに渡したのです。
最近はどこへ行ってもこういう客が多いですね。かっこばっかりつけて、お金を使わない。金がないんじゃないんですよ。ケチなんですよ、きっと。不況下には、日本人は極端なほど貯蓄に必死になる傾向があります。アメリカ人はその逆で、とにかく消費が最善なのでまた恐いのですが、いくら不況といえ、気持ちよく酒を飲み、自分たちは葉巻を吸って楽しみ、なんでたかだか1万円ちょいのワインを飲ませようとしないんでしょうか。結局この4人は、さんざん時間をつぶしたあげく、1人1杯ずつしか飲まずに帰ったらしいです。また、途中から連れの女の子がおっさんを無視してこちらにしきりに話しかけてきたのにも気になりました。使うべきところで金を使ってくれない客は、ホステスたちにとって最低の客です。一方、わたしたちはショット3000円~の酒をかぱかぱ飲んでいましたから、「こっちのほうがええわ」ってかんじだったのでしょう。しかし、正直今の50代の男性にはまったく失望させられますね。この数年間で、何十才も年上のおっさんどもに、何度酒をおごらされたことやら・・・。世知辛い世の中だ。
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