金のなる木に金がなる
わたくし、今はソフトウェア業界に身を置いているのですが、中学生の時から政治と経済に非常に関心がありまして、たぶんかなり変わり者だと思われていました。中学生が「やっぱり土井たか子の時代だろう」などと話すものですから、家族も正直心配したと思うんですね。しかも、本棚には株式投資の専門誌が置いてあって、親にしてみれば本当に株に関心があるのか、中に1ページだけカラーで掲載されていたヌード写真が気になるのか、真剣に考えていたと思いますね。そんなわけで、投資の世界には割と長く親しんでいたことから、社会人になってからはずいぶんと株に投資をしてきました。たくさん儲けましたが大きく損をしたこともあります。最後の取引では300万円の大損でした。とはいっても、株価が下がったのではなくて株をまとめ買いするためにお金を預けた人物がその資金を自分のために流用してしまったっていうとんでもない話ですけどね。今はもっぱら外国為替取引が楽しくて仕方ありません。政府は、なんとか今の税制を変えて、投資する人間がもっとうまみを感じられるシステムにしてほしいです。でないと、儲けても儲けても税金でがっぽりとられてしまい、それこそ頭が薄くなりそうなストレスと戦いながら半分はお国のためにディールしているという感じがぬぐえないんですよね。税金、高すぎるよ!!!
さて、こうやって苦労している今日この頃ですが、わたくしの前職は投資顧問の会社でして、投資先にあがっていた今の会社に移ってきたというわけです。前の会社では、でかいヤマをつかむということがどのように行われているかをいろいろ学びました。大きな声ではとても言えませんが、インサイダーなんて日常茶飯事です。重要な決定が扱われる上場企業の役員会の前後には、役員とその関係者からのインサイダー情報がバンバン飛び交います。こういう感じです。「○○との合併が今日の役員会で決まる。あまり大きなポジションにならないように仕込んでおいて」「○○が、××の製品を採用することになったから、来週発表後にガーンと上がるから」などなど。当然ながら一般投資家と違って、儲け方はハンパじゃありません。こんな世界に身を置くことは、リスキーですが毎日がそれはそれは刺激的です。
株の世界の裏側の人物とも何度も会いました。情報通の間で「ご本尊」と呼ばれる最強の仕手師。やくざに拉致され殺されかけながら、北浜で解放され、拉致した側の幹部クラスが土下座してわびを入れに来たという伝説の持ち主です。本当の名前さえもよく知られておらず、通称は大阪の山口組組長でばくちで有名な方と同姓同名。大阪有数のテナントビルに入居していた私の会社に来るときも、ボディーガードを従えて防弾処理のされた車で乗りつけるのです。ちょうど、「財界展望」に記事が載ったときに、私の会社に来ていました。そしてわたしが当時社長でした。うーん、なんと貴重な体験!ちなみに、彼が米国内にもつ会社のオフィスはエンパイア・ステートビル(本当)に入居しています。
こんなアングラな方なのですが、わたしたちと話すときは非常に謙虚で腰が低く、「○○さん(私の名前)、いつもすみませんねぇ、いくら投資したらいいですか?いくら必要か言ってくだされば、すぐ送金させますのでねぇ、お願いします。」という感じで、ペコペコ頭を下げるんですね。ところが、これを単純に謙虚と受け止めてはいけないんです。生き馬の目をえぐり取るような世界で生き残ってきた商売人ですから、必ず儲ける確信がなければ、ボランティアのように簡単には投資しません。ですからこちら側としても、彼が帰ったあとには「○○は金を出すと言っていたが、出させると影響力が大きくなりすぎるから、金はほしいが場合によっては断ろう。」とまぁ、裏の裏まで読んだ打ち合わせが始まるわけです。ほかにもこの方の伝説は数多くあり、都内のマンション数件を転々とし、タクシーに乗るときはねらわれないように何度も乗り継いで帰る、資産は数十億いや数百億と言われ、当然ながらケイマンやスイス(今は安全とはいえない)に口座を多数所有、名刺を数種類持つが、どれも名前が異なっている・・・などなど。今は地方の飲食店を経営する上場企業に入り込んでいるという話を風の噂で聞きました。これ以上話すとどこで読まれているかわかりませんから、命の危険を冒すのはやめようと思います(笑
さて、今為替取引にはまっていると書きましたが、わたしも今は一般人以上の情報を知り得る立場にいませんから、大きく儲けることはそれほどありません。ですが、たまに儲けになるディールができると、「やっぱりオレも長くやってきただけのことはあるなぁ」と、一人でうひゃひゃうひゃひゃと笑いをかみしめたりするのです。最近真剣に取り組みすぎてちょっと疲れていますが、かなりがんばった自分へのご褒美に、もう少ししたら第一夫人(いや、独身ですが・・・)をフランスに連れて行ってやろうと思っております。そんな幸せを予感する毎日なのであります。
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