社会の裏側、闇

「社会の裏側」「社会の闇」。テレビや小説や映画ではよく見ていたとしても、ほとんどのみなさんは実生活で本物の「闇」に直面することはおそらくほとんどないでしょう。わたし、仕事柄と言いますか巡り合わせと言いますか、社会の闇といえる部分について本当に多くのことを学びました。

「闇」というのは、当然ながら別の言葉を使えば「お金」ということですね。最近は100万円もあればましなヒットマンを雇えるそうですが、だいたい2～3000万円の大金が絡むとどんなケースでも命にかかわります。命の値段なんて、ゆだねるところによっては安いモノなのです。たとえば借りたお金が2000万円を超える金額になると月の利息は少なくとも200万円を超えます。あ、法定金利なんて関係ないですからね。

すごい話になると、月に1割もの超高金利で数億円を借りる人さえいます。元本を返せないから金利だけを納め続けるのが貸した方には理想的なのですが、これさえ払えないまま数ヶ月分が溜まると、貸した方は回収できなくなるかもしれないということを悟り出します。次に、貸した人間に返せる目処があるのかどうかを調べるためにツケ馬（行動先についていって資金の目処が本当に立つかどうかを確かめる）を始めます。それで可能性がないとなると、なんやかんや対策を講じてみて、最終的には命で償わなければなりません。実際、知っている限りこの3年ぐらいで○人もの人が命を落としました。亡くなる直前、そのうちの一人は「ワシが死んだのは誰々のせいだと伝えておいてくれ」などと知り合いに電話をしてきたそうです。わたしは亡くなる前の数ヶ月間で何十回も電話で話していましたが、幸いにも（？）死の直前には電話はかかってきませんでした。ほかにも「ワシになにかあったら消されたと思ってくれ」と言っていたようです。亡くなる1ヶ月前に裁判所であったときにはその筋の人にずっとツケ馬されていました。そう、彼は保険金をかけて自殺した（たぶん殺された）わけなのですが、家族はどこも「心筋梗塞で急死しました」などと周囲に説明しています。

こういうことは何も知らないでいるのが一番幸せな人生なのですが、私の場合知りたくないのにこういう事件が何度か起きて知らなくてはならなくなりました。ほかにも、逮捕された人間も何人もいますし、取り調べを受けた人間もたくさんいます。え？どんなにブラックな生活を送っているのかって？じゃあ聞きますが、三菱自動車の元社長が逮捕されましたよね？武富士の会長も逮捕されましたね？彼らは上場企業のトップですが、違法なことをずっと続けていたから捕まったんですよね？上場企業であろうがなんであろうが、ある立場に置かれたら無関係ではいられなくなるってこともあるんですよ。わたしだって、自分で悪いことなど絶対にしたくありません。○税などは多少平気でしてしまっても、人をだましたり傷つけたりすることは間違ってもしません。でも、人を傷つけたってだましたって、時には殺めたって金を儲けたいという人が多いからこそ、社会の闇が生まれるんですよね。ここで書いたようなこと・・・

ほかにも書き出すときりがないのですが、経験しているからこそお金の怖さを身にしみて感じます。幸せはお金の多さでは計れません。必死で働いて、稼げたもので満足する人生を歩みたい、そう思うのです。

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