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2006/01/17

あるスパークリングワイン

めちゃくちゃつまらない話なので、わたしごときの話に興味が全くない大半の方や、基本的に酒が嫌いな方、シャンパンが飲めない方はすっ飛ばしてください。

先日、「ロジャー・グラート」という銘柄のスパークリングワインをある方からいただきました。正確にはスペインのカヴァと呼ばれる酒なのですが、このカヴァ、酒屋に行くと必ず「芸能人のブラインドテイスティングでドンペリに勝った伝説のスパークリング」と書いてあるんですね。

はっきり言いますが、パーティーギャル(ハリウッド風)やホストではないにしても、ドンペリの旨さは別格であり、1,000円や2,000円のスパークリングが勝てる世界ではありません。テレビの企画では、おそらく通常のものとは違うものが提供されたか、または昔はまともな酒造りをしていて味が全く違っていたか、ということで絶対間違いはありません。絶対と言い切りましたが絶対です。それも後者のほうでしょう。

かくして、あまり気乗りのしないまま1ヶ月ほどセラーにしまっていたのですが、いえ、セラーに入れるのは本当はもったいないぐらいなのですけど、せっかくいただいたものを粗末に扱うなど許せないものですから、セラーから取り出し、覚悟して飲んでみることにしました。絶妙な温度に冷えた瓶からお気に入りのシャンパングラスに注いでみると、ロゼにしてもなんともケバケバしい赤色で、見るからに期待が持てません。そして一口・・・。

「な、なんだこりゃ~!め、めちゃくちゃマズい!!!」

ジャンルに関わりなくワインが好きな方はご存じでしょうけども、抜栓後時間が経ってまずくなる良いワインというものはありません。酸化防止剤が気化し、ワインの成分が空気と混ざり合うことで香りが膨らみ、まろやかになってきます。当然スパークリングもワインですから、瓶に入った状態で時間が多少経っても泡は抜けませんし、30分ぐらい経った頃から味に深みが出て参ります。が、そんなうんちくなんて100年早いわ、というぐらいどうしようもないワインでした。何かの間違いだろう、と思って1時間後、そして次の日にも飲んでみましたが、やっぱりマズいものはマズい。うちの近所のスーパーに売っている1,200円のカヴァのほうが100倍旨いです。

結論として、「ロジャー・グラート・カヴァ・ロゼ」はどうしようもなくマズいということが判明。それから、「めちゃくちゃ旨いスパークリングワイン」「ドンペリに勝った」などと平気でのたまうワイン屋は、わたしとしては嘘つきと判断することにいたします。まして、かたや「ドンペリを珠玉の一品」として売っておきながら片方で2,000円のカヴァをそれよりすごい、などと平気で標榜すること自体、ドンペリの素晴らしさをおとしめているわけで、ちょっと寂しい気がします。こんなことをするからシャンパンの味が全くわからないで飲む人が多くなるんですよ。

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